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夏至とは?なぜ夏至が一年で最も暑い日ではないのか?

夏至がやってくるのは梅雨時で、夏の太陽を肌で感じるには少し早い時期です。

では、なぜ夏至が一年で最も暑い日にならないのでしょうか?ここでは、そんな夏至の原理や風習を解説します。 四季はめぐり、変わりゆく日長は草木の実りや動物たちの求愛、渡りや換毛を律速します。たとえささいな違いでも、その日長変化を生き物たちは目や脳の深部で感知し、次の季節の支度をはじめます。夏至はそんな生き物たちの営みの目安にもなっているのです。

夏至とは?

夏至(げし)とは、北半球で1年のうち最も昼の時間が長くなる日のことです。地球の 自転軸(地軸)は公転軸(公転軌道面に垂直な軸)に対して約23.4度傾いています。夏には北半球が太陽側へ傾く格好となり、その中でも最も太陽側へ向く日が夏至です。

夏至の解説
夏至と公転の関係

なぜ夏至が一年で最も暑い日ではないのか?

夏至は6月下旬、まだ夏本番とは言えません。猛暑はそれから1ヶ月もあとにやってきます。では、なぜ夏至が一年で最も暑い日ではないのか? それはポットに水を入れて湯が沸くまでの時間に似ています。電源をONにしても、すぐに水が沸くわけではありませんが、ポットの電熱線ははじめから熱々です。ポットの電熱線を太陽の日射量に見立てるなら、ポット内の水は地表や海水にあたります。そのため、温められるのに時間がかかります。

また、夏至は日本ではちょうど梅雨時なので、日射が雲で遮られ気温が上がりにくいこともあります。自動車のアクセルもブレーキも、学校の勉強も、気になる人とのデートも、何でもそうですが、アクションを起こして結果が出るのはそのあとです...笑

これは冬至にも言えます。12月下旬に冬至がやってきますが、本当の寒さはやはりその1ヶ月後にやってきます。

2022年の夏至は6月21日

2022年の夏至は6月21日です。

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夏至の日が『日の出が一番早くなる』わけではない

夏至の日の日の出が一番早く、日の入りが一番遅いと勘違いされる方が多いようです。 実は夏至が日の出が一番早いわけでも、日の入りが一番遅いわけでもありません。

夏至はあくまで、日の長さ(日の出から日の入りまで時間)が最も長い日であり、夏至より日の出が早い日、日の入りが遅い日はその1週間前後になります。これは公転軌道が楕円形であることなどに起因します。

日の出、日の入りと夏至の関係
日の出、日の入りと夏至の関係(2022年のデータより)

夏至の頃の習慣・ならわし

大阪など関西では半夏生(夏至から数えて11日目)のころにタコを食べる風習があります。昔は夏至から半夏生までが田植えを終える目安で、稲の苗がタコの足のようにしっかり根付くようにという豊作祈願が込められていたそうです。また、疲れた体に滋養を与える食べ物として栄養価の高いタコが食されていたようです。

福井県では半夏生に丸焼きの鯖を食べる風習があります。こちらも同じく、田植えが終わり、これからやってくる暑い夏を乗り切るためのスタミナ源として、鯖が食されたと言われています。

奈良県や大阪の一部の地域では、小麦の収穫が一段落するこの頃に、小麦ともち米を混ぜてきな粉をまぶした小麦餅「半夏生餅」が食されました。また、田植えが終わる時期でもあるので、水田に半夏生餅をお供えする地域もあるとか。願いは豊作、それを叶える体という資本。実りへの願いが、「自然への感謝」と「自分たちへの養生」を兼任した風習を生むのでしょうか。

以上、夏至についての解説でした。 夏至の日に沈む夕日を眺めて、「天体の動き」や「生き物の営み」といった、ちょっと広くてあいまいなことに想いを馳せてみてもいいかも⁉

written by ヒノキブンコ

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