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地理的表示 (GI)とは?~山梨は国内初、酒類でダブル指定!

地理的表示 (GI)とは?~本物の原産地&本物の品質である証し

それぞれの地域に、その風土や伝統に根付き高い品質を維持する特産品が数多く存在します。そんな品々を、地域と結びつけて知的財産として保護するのが地理的表示 (GI、geographical indications)です。

つまり、GIは「本物の原産地」かつ「本物の品質」の証し。産地や原料、製法、品質など一定の基準を満たした産品だけがGI表示できます。

GIの狙いは、生産地の活性化やブランド定着、購入者の信頼確保につなげることです。では、すでにどんな産品が登録されているのでしょうか?

以下が農林水産物と酒類で登録されているものの一部です。

全国初!山梨は酒類でダブル指定

山梨は全国で初めて、酒類においてワインと日本酒のGIダブル指定されました。

南アルプスや富士山など名峰が育む清涼な水、甲武信ヶ岳、八ヶ岳、茅ヶ岳の南麓に広がる日照時間に恵まれた土壌。山梨の風土がもたらすワインと日本酒、その品質がいち早く全国から認められました!

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世界的に評価を高める山梨の白ワイン、その原料となるブドウ固有品種「甲州」
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GIYamanashiを冠したワイン『甲州』(株式会社ルミエール 製造)
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GI 「山梨」の日本酒(出典:山梨県酒造協同組合)

GI表示できる条件とは?~GI「山梨」(ワイン、日本酒)を例に

GIは「正しい産地」で「一定の基準を満たした品質」を保証する表示です。

生産地からの申し立てにより、「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(いわゆる「地理的表示法」、農林水産省)」や「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(いわゆる「酒類の地理的表示」、国税庁)」などに基づいて審査を受けます。指定されると、その産品の原材料や製造方法、品質などの基準が設定されます。

ではその基準とは?山梨での登録事例で解説します。

まずは、「GI Yamanashi」のワインについてです。

1. 原料

・原材料は山梨県産のブドウ100%

・ブドウ品種は、甲州、マスカット・ベリーAなど42品種のどれか

・一定の糖度をクリアしたブドウだけを使用 など

2. 製法

・山梨県内で醸造、貯蔵、容器づめされたもの

・アルコール℃数は、甘口は>4.5%、辛口>8.5% など

3. 品質

・管理機関が品質の審査や表示を厳格に管理していること など

この基準に適合したワインだけが「GI Yamanashi」と表示できます。






次に、「GI YAMANASHI」の日本酒の基準の一部です。

1. 原料

・米や米こうじは国内産(3等以上の格付け)

・水は山梨県内で採取したもので、南アルプス山麓、八ヶ岳山麓、秩父山麓、富士北麓、富士・御坂及び御坂北麓のいずれかの水系である など

2. 製法

・山梨県内で製造・貯蔵された

・山梨県内で容器詰めされた など


※日本酒のGIは、アルコール添加が可能(他県のGIは、不可のところもあります)。

3. 品質

・管理機関が品質の審査や表示を厳格に管理していること など

これらの基準について、詳細は国税庁「地理的表示 山梨 生産基準」に記載されています。ご興味がある方はぜひご覧ください。

指定されると?GIのメリット

GIに指定されると、その生産地には以下のメリットが生まれます。

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GIのメリット

GI指定は生産地を保護し、GIマークを信頼して購入した消費者も保護します。

その一方、GI表示するだけでかならずしも地域ブランドが育っていくわけではなく、やはり消費者ニーズに合わせたブランド戦略や付加価値の追加など、引き続き生産者や自治体の取り組みが必要となっていくようです。

以上、「地理的表示 (GI)とは?~2つの酒類が指定されたのは山梨が国内初!」でした。

written by ヒノキブンコ

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