はんこ購入 贈答用に助成 市川三郷町が制度変更、産業PRへ
国内有数のはんこ産地として知られる市川三郷町は、伝統産業を広くPRするため、町民らを対象にした購入費助成制度を5月から改定した。個人使用に限定した用途対象を贈答用に変更。デジタル化や生活習慣の変化などによる押印機会の減少といった業界への逆風が吹く中、町民の力を借りて高い品質や印章文化の魅力を発信する。
町は、2013年度に町民や町内の事業所に勤める人が、町内の印章業者からはんこを購入する際、費用の半額(上限1万円)を助成する制度を開始。年間30件前後の利用はあったものの、個人使用が前提で、町外へのPR効果は薄かったという。
改定では対象者や購入先、助成額は変更せず、用途は出生や進学、結婚など人生の節目を祝う贈答用としての購入に変更した。制度を利用できるのは1人当たり年1回。5月1日から申請を受け付けている。
町に申請して購入したはんこには、手がけた職人からのメッセージや伝統産業を紹介する文章が書かれたカードが付き、カードには送り主からのメッセージを書く欄もある。
六郷印章業連合組合によると、ピークだった1980年代には100以上の事業所が同組合に属していたが、5月1日現在で26事業所まで減少。後継者不足に加え、デジタル化の進行に伴い、各分野で押印省略の傾向にあり、産地維持が厳しい環境にある。
町産業振興課担当者は「制度を通して、町のはんこを知ってもらうとともに、はんこ業界の後押しにもつなげていきたい」と話している。