桜桃忌太宰しのぶ 富士河口湖文学碑に献花
作家太宰治(1909~48年)の命日(19日)に合わせ、太宰が一時滞在した御坂峠の天下茶屋(富士河口湖町)で6月20日、山梨桜桃忌が開かれた。
県内外から約30人が集まり、「富嶽百景」の一節が刻まれた文学碑にサクランボや酒を供え、花を手向けて太宰をしのんだ。
天下茶屋では、太宰が同茶屋に滞在して執筆した「富嶽百景」の楽しみ方をテーマに、同作品の解説や朗読などが行われた。初めに城西国際大学准教授で山梨桜桃忌の運営を担当する望月純吉さんが、「太宰の再生への分岐点となった天下茶屋の存在をいかに広く共有し、富嶽百景の面白さを伝えていけるか、山梨桜桃忌を通し考えていきたい」とあいさつした。
同大メディア学部2年生の和田実月さんによる朗読を挟みながら、望月さんが解説。同茶屋は「太宰にとって第二の人生への助走の場」であり、約3カ月の滞在で心機一転を図ったことで、「人間失格」などの代表作を生み出すことにつながったと説明した。また、太宰にとって富士山は「心に寄り添う山であり、富士を愛する気持ちが富嶽百景には表れている」と話した。