耕作放棄地活用し自然農法 甲府市の大木さん 高齢化進む地域盛り上げ
甲府市朝日5丁目の大木弘美さん(47)は、同市上帯那町の耕作放棄地を活用して、農薬や化学肥料を一切使わない自然農法を始めた。米や里芋などを育てていて、定期的に草取りをして収穫を目指している。地域では農家の高齢化が進んでいて、畑を貸し出す山岡秀一さん(68)は「耕作放棄地の解消につながる」と歓迎。大木さんは「地域を盛り上げていきたい」と意気込んでいる。
大木さんは子育てをする中で、子どもにより安全な食材を食べてもらいたいとオーガニック野菜や自然農法に興味を持った。本格的に農業を学びたいと昨年4月、北杜市の山梨県立農林大学校に入学し、今年1月に卒業。在学中に自然農法ができる農地探しも進めていた。
ただ、甲府市内には密集した農地が多く、農薬を使わない自然農法では「害虫が寄ってくる」などと周囲の農家から敬遠される懸念もあり、農地探しが難航していた。そんな中、4年ほど前に体調を崩し、上帯那町での農業をやめていた山岡さんと出会った。山岡さんは「耕作放棄地が多く、比較的農地が密集していない上帯那の畑なら自然農法に適しているのでは」と農地の貸し出しを提案したという。
大木さんが借りたのは傾斜地にある約3,470平方メートルの農地で、今年は一部を使用して米や里芋作りに取り組む。米作りでは7月上旬に種もみをまき、除草剤は使用せず定期的に草取りをして、10月の収穫を目指す。現在は山岡さんからアドバイスを受けながら、田畑を管理している。
山岡さんによると、上帯那町では高齢化が進み70歳以上の農家が大部分を占め、耕作放棄地も年々増えているという。山岡さんは「農地を活用してくれることは非常にありがたい。大木さんに続いて自然農法を上帯那でやりたいという人が増えてくれたら」と期待する。
大木さんは「少しでも地域に活気が出ればいい。同じような思いを持った人がいれば、一緒に自然農法に取り組んでほしい」と話していた。