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ジビエとは?

捕獲された野生動物は山の恵みです。その恵みを活かす「狩猟文化」がその土地土地に受け継がれてきました。 安定した供給量や価格を考えれば畜産は大切な役目を持ちますが、一方で近くの山で育った野生動物を食べることは人々が昔から続けてきた食の原点とも言えます。 今回はそんな文化を引き継ぐ「ジビエ」についてご紹介します。

ジビエとは?

ジビエとは狩猟で捕獲した野生鳥獣の食肉のことです。 昔からジビエが盛んだったフランスの「gibier」に由来します。

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捕獲頭数は増えてもジビエ利用はまだ一部

シカ、イノシシの被害や捕獲頭数は下図のように年々増加しています。

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出典:農林水産省 「捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況」

一方、ジビエへの利用はまだ一部に限られています。 たとえば、シカでは令和3年は72万頭が捕獲されましたが、ジビエとして利用された頭数は9万9千頭、全体の14%程度に留まっています。 そもそもジビエのために捕獲されているわけではなく、被害防止の捕獲が中心なので、ジビエ利用率の低さは仕方ないことです。体重50kg、100kgと重い野生動物を山から下ろすだけでも大変だし、下ろしたとしても加工場まで迅速に届けて速やかな処理ができなければ、美味しいジビエとして利用できません。

せっかくの食資源を活かさないのはもったいない

でも、せっかくの美味しい食資源を廃棄するのはもったいないことです。 そんな想いが広がり、地域ごとにジビエ流通の仕組みができあがりつつあります。現在、全国に734の処理加工施設が設置されました。

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出典:農林水産省 「捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況」

たとえば、高知県ではジビエ専用カーが運行。食肉を迅速に運ぶ手段としてジビエカーが用意されたことで、町や森林管理署、猟友会が捕獲状況を共有して、山から加工処理施設へスムーズな食肉の搬入が可能になりました。

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出典:農林水産省 「捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況」

このような全国の取り組みの甲斐あって、令和3年度のジビエ利用量は2,127トンと、平成28年度と比べて1.7倍に増加しました。ジビエの活用は今後さらに広がっていくと期待されます。

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出典:農林水産省 「捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況」
血抜き処理や内蔵の処理などが適切になされると、シカもイノシシも臭みはほとんどないようです。

ジビエの味や肉質は?

そうなると、ジビエの味や肉質が気になるところです。ここでは、代表的なジビエであるシカとイノシシについてご紹介します。

鹿の味について

臭みがなく、クセの少ないあっさりとしたお肉です。低カロリー・高タンパク、鉄分も食肉の中でダントツ多いので健康的な食肉と言えます。 繊細な肉質で柔らかく、赤身部分が多いため淡白ですが、しっかりとしたうまみが感じられます。とりわけ「肩ロース」の炭火焼は、高級牛肉のような旨味が感じられ、もちもちとした食感で美味です。

イノシシの味について

コクがあるのに脂身がさっぱりしているのがイノシシ肉の特徴です。 豚肉と比べて脂身がしつこくなく、肉の旨味が濃厚で自然な甘みが感じられます。

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各部位の名前について

ジビエが道の駅で売られていることもあります。そんなときは以下の部位の説明を知っていれば、購入の目安になりますね。

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出典:農林水産省 「捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況」

山梨のジビエ料理店の紹介

ふじのーとでは以前より、山梨でジビエ料理が食べられるお店をご紹介しています。ぜひご覧下さい。

ヤマワラウ

鹿肉、イノシシ肉などのジビエ料理を堪能できる古民家レストランです。

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お食事処 松風

鹿肉のカレー、鹿肉の竜田揚げ、猪肉のスモークなど、本格シェフのジビエ料理が味わえます。やまなしジビエ認定のお肉を使用。

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国産ジビエ認証制度

ジビエは捕獲後の処理方法などでお肉の風味や品質が大きく変わります。また、ジビエを生食や加熱不十分で食べるとE型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌などの病原ウイルス・病原菌に感染するリスクがあります。

そこで、より安全なジビエの流通、消費者にとっての安心の確保を図るため、農水省は「国産ジビエ認証制度」を制定し、運用を開始しました。

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国産ジビエ認証制度(農水省)

山梨県では、早川町ジビエ処理加工施設(早川町)と丹波山村ジビエ肉処理加工施設(丹波山村)が認証を受けています。ジビエは初めてで少し不安、、、そんな方はこのマークを参考に買い求めるのもいいでしょう。

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国産ジビエ認証制度(農水省)

以上、ジビエについての解説でした。

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