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生成AI・チャットGPTとは?学生が知っておきたいこと

最近話題の生成AI、チャットGPTについて、これからの若者、学生が知っておきたいことを解説します。

■生成AIとは?
生成AI(Generative AI)は、データから新しい情報やコンテンツを生成する能力を持つ人工知能の一種です。例えば、生成モデルは画像、テキスト、音声などのデータを生成できます。これらのモデルは、大量の学習データを元にして、新しいデータやコンテンツを生成することが可能です。GPT-3などの言語生成モデルも、その一例です。


■チャットGPTはどんな原理で生成されていますか?
ChatGPTは、OpenAIが開発したGPT-3.5アーキテクチャに基づいた大規模な言語モデルです。GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略で、トランスフォーマーと呼ばれるニューラルネットワークアーキテクチャを使用しています。モデルは大量のテキストデータを事前に学習し、その後、ユーザーの入力に基づいて言語生成や応答を行います。


■ChatGPTを大学のレポート作成に使っていいですか?
ChatGPTは一般的な情報提供やアイデアの提示には役立つかもしれませんが、学術的なレポートや正確な情報が求められる場合は、注意が必要です。ChatGPTは大量の一般的なデータから学習されたものであり、特定の専門知識や最新の情報に制限があります。信頼性の確認と、学術的な要件に適合するかどうかを確認することが重要です。


■ChatGPTで作った文章を商用利用していいですか?
ChatGPTの生成物を商用利用する前に、OpenAIの利用規約を確認することが重要です。2022年1月時点での情報では、OpenAIの利用規約は商用利用に関する一定の条件を規定しています。ただし、これは変更される可能性があるため、最新の利用規約を確認することが必要です。 OpenAIの公式ウェブサイトで最新の情報を入手し、利用規約に準拠するようにしてください。


■チャットGPTで作った文章の著作権は誰にありますか?
生成された文章の著作権に関しては、OpenAIの利用規約に従います。通常、OpenAIは生成物の著作権をユーザーに帰属するとされています。ただし、利用規約は変更される可能性があるため、最新の情報を確認することが重要です。利用規約に同意した場合、通常はユーザーが生成物に関する著作権を持つことになります。


■日本で2番目に高い山はなんですか?
日本で2番目に高い山は北海道に位置する「旭岳(あさひだけ)」です。標高は約2,291メートルです。最も高い山は富士山で、標高3,776メートルです。


■日本で2番目に高い山はなんという山ですか?
すみませんが、私の先ほどの回答に誤りがありました。日本で2番目に高い山は北海道にある「剣岳(けんだけ)」で、標高は2,291メートルです。お詫び申し上げます。


■日本の中で2番目に標高が高い山は?
日本で2番目に標高が高い山は北アルプスに位置する「槍ヶ岳(やりがたけ)」です。標高は3,180メートルで、日本の山々の中で高い部類に入ります。


■山梨県で大雪になるときの気圧配置は?
大雪が発生する際の気圧配置は一概に言えません。大雪の発生は、気温や湿度、気圧配置、気象条件の複雑な相互作用により影響を受けます。山梨県などの地域で大雪が降る場合、通常は低気圧の影響や気象条件の特定の組み合わせが関与していますが、具体的な気圧配置は発生する具体的な気象事象により異なります。気象予報や気象情報を確認することが、具体的な状況を理解する上で役立ちます。


■餅つきの臼は山梨県ではどこで作られている?
餅つきの臼(うす)の製造場所は個々のメーカーや職人により異なりますが、山梨県内で伝統的な製造が行われている地域や工房が存在します。特定の地域や町での製造についての具体的な情報は、製造業者や伝統工芸の専門店、観光協会などの地元の情報源から入手できるかもしれません。地元の伝統や技術を守りながら製造される臼は、その土地ならではの特徴があることがあります。


■夏目漱石の小説こころを要約してください
「こころ」は夏目漱石の代表作の一つで、物語は学生である主人公が、精神的な葛藤や現実とのずれに苦しみながら成長していく様子を描いています。
要約すると、主人公は精神的な孤独感と現実の不条理に悩みます。彼は人間関係や社会との摩擦から逃れようとしますが、次第にその抵抗がむなしさへと変わり、最終的には自らの存在や人間関係に向き合うことをとおして、成熟していく過程が描かれています。小説は哲学的で心理的な要素を含み、日本の近代文学の中で重要な位置を占めています。




実は上記の回答はすべてchatGPTで作成した文章です(2024年1月に質問)。

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チャットGPTの回答は概説的である印象を受けました。例えば、山梨県で大雪になるときの気圧配置は南岸低気圧がやってきたときに限られ、餅つきの臼は山梨県だと今では富士川町の平林地区でしか作られていません。そんな肝心な点に触れず、一般的な説明に留まる回答でした。

一方で、生成AIについての質問や夏目漱石の小説の要約については、的確な回答という印象を受けました。この回答が瞬時に生成され、しかも人が書いたかと思うくらい流暢な文章になっていることに驚きます。

AIに人の心を動かすような文章は書けないと言われることもありますが、人が生み出した名著・名作映画から「感動」のパターンを生成AIが見いだせば、やがて心を打つような小説や映画が生成AIにより量産されるかもしれません。読者の心に訴える「余白」もまた、生成AIの学習対象となり得るのでしょうか。

それはさておき、やはり気になるのは生成AIの「正確性」と「リスク」です。

生成AIは正確なの?リスク・注意点は?

先ほどの「生成AIとは?」「チャットGPTはどんな原理で生成されていますか?」「夏目漱石の小説こころを要約してください」の質問に対して、チャットGPTは瞬時に正確に回答しました。

このように、自ら新しい文章や映像などを生み出すのが生成AIです。世界中のデータを収集し、その関係やパターンから新しいコンテンツを生み出すと言われています。計算や自動化の枠から出なかった従来のAIが、その枠を出て一歩進化した形です。

一方で、間違った回答も散見されました。日本で2番目に高い山は山梨県の北岳です。上記のように3回同じ質問をしましたが、一回の謝罪を挟んで3回とも誤った答えでした。「分かりません」と答えてくれればまだいいですが、自信満々に誤回答されると思わず信じてしまいそうです。

このように生成AIが事実ではない情報を答えてしまうことを「ハルシネーション」と呼びます。これが生成AIのリスクの一つで、生成AIの情報を鵜呑みにするとユーザーが不利益を被り、周りに間違った情報を広げてしまう可能性があるでしょう。

質問の仕方を変えると、正しい回答が得られる場合もあります。生成AIのくせを知り、正確に自分の意図が伝わるように入力テキスト(プロンプト)を工夫することを「プロンプトエンジニアリング」といい、その重要性が認識され始めています。人に質問するときも相手に分かりやすいように工夫しますが、これに似ています。

一方、著作権の問題も指摘されています。生成AIが作った文章が、既存の出版物やWEB上の文章に酷似しているケースが指摘されており、大量の著作権侵害が発生しかねないとも指摘されています。

このような背景から、日本政府は生成AIのハルシネーションや著作権侵害のリスクを研究する専門組織を国立情報学研究所に新設する方針です。

すなわち、生成AIを利用する上で、「回答が間違っているかもしれない」と「既存の文章と酷似しているかもしれない」という2つのリスクがあることを知ることが大切です。

大学の課題やレポートで使っていいの?

結論から言うと、大学や授業の担当教官によって異なると言えます。

レポート課題や卒論で生成AIで作った文章をそのまま回答として使うことは禁止されることが多いものの、学びの一助として授業で利用することが許されているケースもあります。むろん、ハルシネーションや著作権侵害の可能性を理解し、第一出典を確認・引用することが求められますが、学生の学びや着想を深める可能性があるのなら生成AIの利用を一律に禁止しないといった方針を取る大学が多いようです。

実際、東京大学では「授業での生成AIツールの利用は担当教員の判断に委ねる」としています。
https://utelecon.adm.u-tokyo.ac.jp/docs/ai-tools-in-classes-students



以上、生成AI、チャットGPTについてでした。

これからますますその精度を上げていく生成AI。それでも、デジタルは実際の体験までは提供できません。実際に手を動かして積み重ねる経験が生きるということなら、生成AIは人の成長や感動を後押ししてくれるツールになっていくかもしれません。

Article written by ヒノキブンコ

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