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山梨の野鳥 Vol.9(Wild birds of Yamanashi)

 寒さが厳しい日が続いていますね。そんな冬の凛とした空気のなかで鳥を探してみるのはいかがでしょうか。前回に続き、冬に見ることのできる鳥たちを紹介します。

アトリ

 時間帯、角度によって印象が変わる鳥です。地面で餌を食べている姿を横から見ると黒っぽい頭、胴体は橙褐色、下っ腹が白い胴長の目立つ鳥です。枝の上にいて斜め下から見上げ時はホオジロやカシラダカに近い印象を受けます。
 日本には冬鳥として飛来しており、自然公園や、農耕地近くの遊歩道で見ることができます。果実、種子、昆虫なんでも食べます。木の芽や花も食べます。一匹いれば、複数匹いますので、集団でひたすらモキュモキュ、ムシャムシャ何かを食べ続けています。昔は穀物に害を与える害鳥とされており、焼き鳥にされていたようです。(味は知りません)
  全長は16cmとスズメより大きいので、見つけるのは比較的容易。冬キャンプや氷瀑鑑賞の折に探してみることをお勧めします。降雪時は白い背景と相まって一層美しく見えます。

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撮影地:北杜市白州町

アオジ

 「アオジという名前なのに緑色だよね。」と小さい子に言われたことがあります。緑色の信号を「青信号」と呼ぶように、緑色に見える物を「青」と呼ぶ日本古来の習慣を思い出せる鳥です。 思えば、オオルリやルリビタキ、ルリカケスは青い鳥なのに「ルリ」がつき、アオジやアオバトは緑色なのに「アオ」を冠しています。語源を考えると日本人の色や自然に対する感性の深さをしみじみ感じられます。
 冬鳥として渡来するケースもあるようですが、基本的には漂鳥です。頭は緑色であり、胴体は黄色、羽はホオジロ、腹の感じはオオアカゲラに似ています。警戒心は強く、カメラを向けただけで逃げ、背の高い草地を動き回るので、なかなか、良い写真が撮れませんでした。
 神奈川県、奈良県では絶滅危惧Ⅱ類に指定されている鳥です。
  発見時は韮崎市の甘利山緩衝地帯近くの草地にいました。(撮影地としては推奨しません)

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撮影地:韮崎市

メジロ

 「3月には梅の花を荒らし、4月には桜の花を荒らす鳥。」とだけいえば印象最悪の鳥ですが、それを許してしまえる程の愛らしい容姿をしています。腹は白っぽいですが、それ以外は黄緑色、目元に白い輪があります。目元が白い鳥、名は体を表す鳥とも言えます。
 見た目の美しさはさることながら、鳴き声もきれいです。花の蜜や果実を好む鳥なので、 庭先に熟れた果物を吊るしておけばそれを食べに来ることもあります。
 個人的には梅の木とメジロの組み合わせは好きです。控えめな白を基調とした梅の木に黄緑色のメジロ、一層鮮やかな色合いを木に与えてくれます。ウグイス餅を片手にお抹茶を啜りながら、梅の木にとまったメジロを見るのもまた一興です。
 向島百花園などでは春先に梅の木とメジロの組み合わせを見ることができます。(その時期では萩のトンネルはありませんが...)
 撮影時は熟れた柿をひたすらつついていました。

mejiro.png

撮影地:韮崎市

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