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江戸屋商店(笛吹市八代町)

創業192年目の老舗がリニューアルオープン

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笛吹市八代町「奈良原」地域と呼ばれる場所に 「江戸屋商店」 はあります。1832(天保3)年創業、炭や塩、酒などを販売する個人商店から始まった老舗は、現在の看板メニューである「ごまどうふ」を中心に販売する店として2022(令和4)年12月に新たなスタートを切りました。

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店内は、かつて店で使用していた古民具などを再利用した商品陳列となっており、ごまどうふの他、県産ワインや地元の特産物を販売しています。

「2021(令和3)年9月までは、1階を個人商店、2階を宴会などができる飲食店 『田舎割烹江戸屋』 として営業していました。創業200年のその先を考える中で、より持続可能なサービスをお客様に提供できるよう、元々人気が高かった手作りの『ごまどうふ』を主軸にする店としてリニューアルしました。」と7代目店長・武川昌生さん(以下「昌生さん」)は話します。

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遡ること2年前、代々家族経営で屋号を継承してきた店は、高齢化やコロナ禍をきっかけに6代目である昌生さんの両親は「子どもに迷惑はかけたくない」と創業200年を節目に店を畳むことを昌生さんに伝えました。

「両親の大変さを幼い頃から見てきたので、それまで家業を継ぎたいとは一度も思わなかったです。いざ店を畳むと伝えられたとき、代々受け継がれてきた江戸屋商店を守りたい。家族が誇りを持って作る江戸屋商店のごまどうふをもっと多くの人に届けたいと初めて思いました。」と昌生さんは話します。

それまで勤めていた会社を退職し、27歳という若さで伝統ある屋号を継ぐことを決断。自らの想いで家族を説得し、店のリニューアルを決めました。

ぺっとんぺっとんと丁寧に作られる「ごまどうふ」と「みるくぷりん」

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看板メニューになっている 「江戸屋商店」 のごまどうふは、飲食店を営業していた頃からお客さまに振る舞われていました。その後、「ごまどうふをお土産に買って帰りたい」といった声が徐々に届くようになり、2008(平成20)年に商品化されました。

「元来、胡麻豆腐は精進料理であることや、山梨には日常で胡麻豆腐を食べる文化があまり無いため商品化に悩んでいました。そんな節、天寿を全うされた地域のお婆ちゃんが、人生の最後に『江戸屋さんのごまどうふが食べたい』という話を聞き、お客様が求めているのだから。と商品化の決意が固まりました。」と6代目夫婦は当時を振り返ります。

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木べらで丁寧に練られたごまどうふは、口当たりが滑らかで食べやすく、濃厚なごまの風味ともっちり食感が特徴です。

「通常の胡麻豆腐は、水またはだし汁をベースに葛粉で練り上げていますが、江戸屋商店では牛乳を入れ滑らかに仕上げています。もっちりとした食感は、鍋で "ぺっとんぺっとん" と時間をかけて練り上げることで生み出されています。」と昌生さんは話します。

ごまどうふは、白胡麻、黒胡麻に加え、抹茶やいちごの4種類を定番で販売しています。白胡麻と黒胡麻はわさび醤油でお惣菜やお酒のお供として、黒蜜をかければ和スイーツとして子どもから大人まで楽しむことができる逸品です。

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店のリニューアルの新たな目玉として登場したのは、ごまどうふで長年培われた製造技術を存分に活かして作られた「みるくぷりん」です。卵や寒天・ゼラチンなどは用いず、ごまどうふと同じ製法で木べらで丁寧に練り上げています。一般的なプリンのイメージには無いもっちりとした食感に加え、白味噌を隠し味に入れることでミルクにコクと深みを与えています。

創業200年のその先に

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今年で創業192年を迎える 「江戸屋商店」 は現在、昌生さんの祖父母、両親、弟の3世代で店を切り盛りしています。

「 "200年続くごまどうふ屋" と言えば響きは良いですが、江戸屋商店が令和という時代まで続いてこられたのは、時代に合わせて業態を変えてきたからであると思います。祖父母や両親、兄弟と一緒に仕事をすることは世間的には珍しい中で、同じ場所で汗水流し働けることに日々幸せを感じています。父が作ったごまどうふ、母が描いたパッケージの文字。先祖が代々繋いできたバトンを、私たちも次の世代にしっかりと受け継げるよう挑戦していきます。」と昌生さんは、笑顔溢れる中にも覚悟の面持ちで語ってくれました。

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「江戸屋商店」 ではこだわりの商品を販売する他、手打ちほうとうが食べられる飲食スペースも設けられています。
"創業200年のその先" を見据える中で、山梨に行ったら江戸屋商店に行きたいね。という時代になるよう今日も7代目は歩みを進めます。笛吹市八代町「奈良原」地域のアイコン的存在が、町とともに新たな時間を紡いでいくのが楽しみです。

Article written by VALEM co., ltd.

江戸屋商店
⼭梨県笛吹市⼋代町奈良原272-1
※詳細は下記URLを参照してください。
https://www.e-edoya.com/
Instagram:edoya_shoten

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