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月晴れる(南アルプス市中野)

自然派ワインを造るドメーヌヒデが、棚田米の魅力を伝えるカフェをオープン

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南アルプスICから車でわずか10分、突如として広がる美しい棚田の絶景。南アルプス市中野地区に位置し、富士山や甲府盆地を望むこの景観はまさに圧巻です。2023年6月、この絶景に囲まれた隠れ家的なエリアにカフェ 「月晴れる」 がオープンしました。カフェを手掛けたのは、ワイナリー、ドメーヌヒデの代表・渋谷英雄さん(以下「渋谷さん」)と奥様の真弓さんです。

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渋谷さんは日本の自然派ワインの第一人者であり、月の満ち欠けや潮の満ち引きを基準とした、化学農薬を使わない循環型農業を実践しています。

「ドメーヌヒデでは、干したぶどうを使って仕込むアマローネというワインを造っていますが、その干しぶどうをつくるのに風通しが良い最適な環境を探していました。そんな折に山風が吹き抜けるこの場所を見つけ、同じ敷地内にある古民家を夫婦の住居にしようと考えていました。古民家を自分達の手で修復していくうちに、『この美しい棚田の風景を守り抜くために、もっとたくさんの人に棚田米の美味しさを知ってほしい。』という気持ちが強くなり、カフェをオープンすることにしました。」と渋谷さんは当時を振り返ります。

建築士からは「修復は難しいからやめた方がいい。」と言われるほど老朽化が進んでいた建物を見事に修復させ、100年以上の日本家屋にふたたび息を吹き込みました。

築100年以上の古民家で味わう、ワインと米粉のむしパン

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人から人へと大切に受け継がれてきた築100年以上の古民家。建築当時の梁はそのままに残した構造になっており、開放感のあるガラス窓や仕切りの無い畳の広間、温かな灯りや店内に流れるクラシック音楽がうまく調和し、時を忘れて長居したくなる空間です。

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かつて漢方医が住んでいた建物には、薬を保管しておく保冷庫が家の北側に設けられており、カフェではその一角を生かす形でワインセラーとして受け継いでいます。市場ではなかなか手に入りにくいドメーヌヒデのワイン。「月晴れる」では棚田米を使ったメニューとともに、グラスワインでさまざまなワインとのマリアージュを楽しむことができます。

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「月晴れる」 の代名詞ともいえる米粉のむしパンは、南アルプスの澄み切った水で育てられた棚田米から作られています。 「中野地区の棚田米は、口に入れたときに感じるお米の香りと甘みが別格の味わいです。私たちの食は豊かになり、炊きたてのご飯を口にする回数も減りました。美味しいお米を味わっていただけるのに最適なメニューはないかと考えたのが、卵や小麦粉を使用せずお米の味わいをダイレクトに感じていただける米粉のむしパンです。」と調理を担当する真弓さんは話します。 この日提供されたサツマイモのむしパンは、滑らかで自然な甘みを感じるイモの甘みと、もっちりとした外側の皮が特徴です。懐かしさを感じながらも、一般的な蒸しパンのイメージからは想像できないほど満足感が高い逸品です。

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季節によって中の具材を変えているというむしパンは、テイクアウトできる他、「月晴れる」 のECサイトからの購入も可能です。ランチタイムでは、炊き立てごはんと華やかなお野菜のおかずセットや、この地で収穫された季節の野菜をふんだんに使用したカレー。カフェタイムには南アルプスならではの果物プレートなど、一品一品に丁寧な仕事を施しつつも素材の味を大切にしたメニューが用意されています。

若い世代も "それならやってみたい" と思える、⾃然と⼈が共存する持続可能な未来

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わざわざ足を運ばないと辿り着けない、クローズドな環境が魅力的な中野地区の景観。一方で、この景観を残すためにはアップデートも必要であると渋谷さんは話します。
「棚田米に携わる生産者は、先祖が守ってきた "美しい棚田の景観を後世に残そう" という使命を胸に、精一杯取り組んでいます。しかし、農業の担い手も減り、このままでは数年後には当たり前に存在していた景観も失われると言われています。私は長らく東京に住んでいましたが、山梨に移り住んでからは身の回りに花が溢れているため、花を買うことがなくなりました。これも当たり前のことではありません。現在、地域に溢れる花をうまく活用できないかと、アロマの蒸留施設なども準備しています。若い世代もそれならやってみたいと地域にやってきて、もしかしたら米作りにも興味が湧くかもしれません。将来のことは誰にも分かりませんが、価値あるものを次の世代に残すために、何とかして種を蒔いていきたいと思っています。」

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生活拠点として、自然と人が共存する未来を紡ぐアイディアを楽しそうに話す渋谷さん夫婦。「月晴れる」 は、美しい景観と未来をつなげるランドマークとして存在し、地域住民もまたこの土地の素晴らしさを再認識できる場所になっています。ぜひ、中野地区の風土を五感で感じるホットスポットを訪れ、時間ととも変化する景色を見ながら、思い思いの時間を過ごしてみてください。

Article written by VALEM co., ltd.

月晴れる
山梨県南アルプス市中野316
※詳細は下記URLを参照してください。
https://www.domainehide.com/services-8
Instagram : tsuki_hareru

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