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Yamanaka Terrace(ヤマナカテラス)~山中湖の森に佇むカフェと量り売りの店

山中湖の森にグッドプレイスな複合施設が誕生

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山中湖から道志村へとつながる国道413号線。その森の中にひっそりと現れるのが、「Yamanaka Terrace(ヤマナカテラス)」です。場づくり拠点開発やイベント企画を手がける 「株式会社愉快な暮らし(東京都目黒区)」が、2024年4月にオープンした複合施設で、カフェ、イベントスペース、ドッグランを併設しています。

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広大な敷地内には、子どもやワンちゃんが自由に庭を駆け回れるよう店から50mほど離れた場所に駐車場を整備しています。ドーム型パビリオンをはじめ、休憩用の大階段などの施設がコンパクトに配置されています。カフェ棟に付帯する大きなシルバーの曲線屋根の下には、テーブルとイスが並び、時間を忘れて長居したくなる憩いの場となっています。

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コンセプトは、「Sustainability(サステナブルなライフスタイルの実験場)」「Glocalization(グローバル×ローカル)」「Enjoy the Outdoors(自然の中で過ごす心地よさと人が集う楽しさ・豊かさ)」。グランドデザインは、JIA新人賞など数々の建築賞を受賞している中川エリカ設計事務所が担当。テンセグリティ構造のパビリオンは原田雄次氏、カフェ棟に散りばめられたスーパーグラフィックの手法を用いた青のブロックカラーやロゴは、キューピーハーフの広告等で著名なグラフィックデザイナーの服部一成氏が手がけています。

ニュージーランドの風景に重なった、山中湖との出会い。
いつか思い描いた "コミュニティビレッジ" をこの地に

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同社代表であり、「Yamanaka Terrace」オーナーでもある盛田さんは、山中湖に店を開いた背景には、かつての旅の経験が大きく影響していると語ります。
「長年、東京で会社員をしていましたが、もともと自然の中で過ごすことが好きでした。ある時、まるで導かれるように山中湖という場所に出会いました。初めて来たはずなのに、とても心地よく感じたんです。なぜかと考えたら、学生時代によく訪れていたニュージーランドの湖や自然風景と重なったからだと思います。東京では何不自由なく暮らしていましたが、長く続けてきた仕事を辞め、家族と一緒にこの地へ移住することを決めました。そしてこの場所で、昔から思い描いていた"コミュニティビレッジのような場所"をつくりたいと考えるようになりました。」
店をオープンする前には、イメージや構想をさらに深めるためにニュージーランドを再訪。現地で見た風景や人々の暮らしからインスピレーションを受けながら、山中湖の自然と共存し、人が集い、心地よく過ごせる場所づくりを少しずつかたちにしていきました。

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カフェで提供しているコーヒーは、Qアラビカグレーダーの資格を持つ焙煎家・川平和秀氏が監修。焼き菓子は、アメリカンベイキングを中心に活動する焼き菓子教室「Kathy's Kitchen」の山口恵さんによるレシピと指導のもと、すべて店内で丁寧に手作りされています。なかでも人気なのが、ニュージーランドなどで親しまれている「フラットホワイト」です。エスプレッソの比率が高く、ミルクフォームは薄めで、軽やかな口当たりが特徴です。苦みと甘さのバランスが絶妙で、店の看板メニューである、クリームチーズをたっぷり使った濃厚なチーズケーキとの相性も抜群です。

ソーラーパネルや地下水など、オフグリッドの仕組みを整備。
"小さな気づき"が生まれるようなきっかけに

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「Yamanaka Terrace」では、ソーラーパネルによる自家発電や井戸水の活用など、再生可能エネルギー100%での運営を実現。環境への負荷を抑えるため、さまざまな資源削減の工夫がされています。店内はキャッシュレス決済のみ対応し、ストローの提供はなし。テイクアウト用のカップは30円を頂戴し、マイマグを持参すれば100円引きに。また、ナッツやドライフルーツ、グラノーラの量り売り他、自然由来の洗剤などを販売。「必要な分だけ買う」スタイルを取り入れ、フードロスの削減にも取り組んでいます。

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「私たちは、あったら便利だけど、なくても困らないものはなるべく提供しないようにしています。いま"サステナビリティ"という言葉が注目されていますが、もともと人の暮らしって、食べ物の残りを肥料にしたりと、自然と共にあったんですよね。たとえば、私たちは井戸水を使っていますが、それって、自分たちの敷地内から排出したものを、何十年後かにまた自分たちが使うということ。そう考えると、環境のことも自然と"自分ごと"になってくるんです。お店を長く続けていくには、無理なく、合理的な方法を選ぶ必要がある。そうやってたどり着いたのが、今のスタイルです。正直、これだけの建物を建てるなら、カフェではなく宿泊施設のような、もっと収益性のある業態にした方がいいのかもしれません。でも、この場所を通して、環境への"小さな気づき"が生まれるような場になればと考えています。ここまでたくさんの運命的な出会いに助けられ、少しずつではありますが形になってきました。これからは、ここを起点に世界中の人が訪れるコミュニティビレッジのような場所を作り、結果的に周辺地域が盛り上がれば、きっともっと面白くなると思っています。」

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現在、屋外のイベントスペースでは、ワークショップや紙芝居、音楽ライブなどが定期的に開催され、「Yamanaka Terrace」はすでに人が集う場所として動き始めています。今後は敷地内に畑をつくって野菜の自家栽培を行うほか、宿泊施設の整備にも取り組みたいと語る盛田さん。今後もその挑戦から、目が離せません。

Article written by VALEM co., ltd.

Yamanaka Terrace
山梨県南都留郡山中湖村平野1414−1
※詳細は下記URLを参照してください。
https://yamanakaterrace.com/index.html
Instagram : yamanakaterrace

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