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トランプ政権の影響を受けない堅実な投資先とは?

トランプ大統領の就任により不確実性が上昇

2025年1月、米国でトランプ大統領が就任しました。その後、4月に強硬な関税政策を発表するなど、世界経済の混乱や株価の急落を招いています。彼の日々の発言には一貫性がなく、関税政策についても日替わり状態であり、先行きを正確に予測することが難しくなっています。

過去と比べても非常に不透明感が強まっています。世界20ヶ国以上の新聞に登場する経済・政策・不確実性に関する言及頻度を指数化した「経済政策不確実性指数」を見ても、過去最高水準となっています。

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過去、経済政策不確実性指数が高まるときに株価が堅調であった銘柄は?

では不確実性が高く、株価も弱含みやすい時期であっても、相対的に(市場平均よりは)株価パフォーマンスが良好になりやすいのは、どのような企業でしょうか? 次の表は、過去15年間における経済政策不確実性指数と株価(TOPIX500指数に含まれる500銘柄)との相関を測定し、相関係数(絶対値)の大きい順に並べたものです。

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相関係数が正(青)の銘柄は、不確実性が上昇したときに市場平均(TOPIX)を上回る株価リターンを得られる傾向が強いことを意味します。鉄道、ガス、生活必需品などのいわゆる「ディフェンシブ」とされる企業が上位に並んでいます。 反対に、相関係数が負(赤)の銘柄は、不確実性が上昇したときに市場平均(TOPIX)を下回る株価リターンになる傾向が強いことを意味します。製造業が中心で、自動車・二輪車関連や、海外売上比率の高い企業が上位に来ています。

今回の局面はどうか?

これらの銘柄は、今回の局面で実際どのような株価パフォーマンスになっているでしょうか? 次の表は、2025年4月17日時点までの、先ほどの15銘柄について、2025年の株価騰落率および対TOPIX超過リターン、2025年4月の株価騰落率および対TOPIX超過リターンを掲載したものです。

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ご覧の通り、過去の傾向(不確実性が高まったときに市場平均に勝ちやすい・負けやすい傾向)に合致しているのが15銘柄中14銘柄と非常に多くなっています。 あえて短絡的な言い方をすれば、今年は過去データ通りに株を買えば、それだけで現時点では良い勝率を得られているということです。

当然、今の株価は不確実性だけでは決まらず、今は今でそれぞれ個別の要因があります。しかし、それでも過去のデータがよく当てはまっているといえそうです。 もちろん、今後はトランプ大統領の政策が世界経済全体にとって良い方向に転換し、投資家たちが不確実性の低下や市場の安定を予測するようになれば、これとは逆の動きになる可能性を想定しておかなければなりません。

今回お伝えしたかったことは、①相場全体が下落しても、上昇している銘柄や、市場平均を上回る銘柄はたくさんあるということ、②投資信託の運用チームは、過去の傾向という定量データを使ったうえで、取材に基づく今局面での企業それぞれの状況という定性情報を考慮して、投資先を選別し、投資信託の運用成績を向上させようとしているということです。

不確実性の高まる時代ではありますが、このような投資信託を有効活用することが、資産形成の近道であると考えています。



※当記事のコメント等は、掲載時点での個人の見解を示すものであり、市場動向や個別銘柄の将来の動きや結果を保証するものではありません。ならびに、当社が運用する投資信託への組み入れ等をお約束するものではなく、また、金融商品等の売却・購入等の行為の推奨を目的とするものではありません。

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筆者:橋本 裕一

橋本 裕一(はしもと ゆういち)
レオス・キャピタルワークス 経済調査室

地方銀行を経て同社入社。現在は経済調査室にて、マクロ経済や金融市場の調査を行なう。
また、バランスファンドのファンドマネージャーも兼任。セミナーや勉強会にも数多く登壇している。

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