
国立公園、もうすぐ制定100年目。~自然保護を支える屋台骨、山梨は3つ!
自然環境を守る屋台骨、国立公園。
国立公園(ナショナルパーク)は世界共通の概念ですが、日本では制度ができてからもうすぐ100周年を迎えます。
今回は、国立公園の役割や魅力的な国内の公園を紹介します。
一方で、温暖化の影響により「エリアを保護しても、気候を保護できない」という新たな課題も指摘され始めています。
- 目 次
- 1. 国立公園とは?貴重な自然を次の世代に受け渡す
- 2. 国立公園のゾーニング(エリア分け)
- 3. 「国定公園」や「国営公園」とどう違う?
- 4. 国立公園(National Park)はなぜ世界共通の言語になった?
- 5. 山梨には3つも国立公園あり!(秩父多摩甲斐、富士箱根伊豆、南アルプス)
- 6. 国立公園オフィシャルパートナーシップ締結!
- 7. 2031年に国立公園制度100周年
- 8. 行ってみよう!国立公園
国立公園とは?貴重な自然を次の世代に受け渡す
国立公園とは、自然保護を目的として国が指定する公園のことです。
日本では、特色ある自然景観や希少な生態系、地形や地質を守るために指定されます。山岳や海岸、湿原、火山、原生林などが対象となり、単に立ち入りを制限して保護するのではなく、自然保護と人々の生活や観光利用を両立させることが基本方針です。
そのため、エリア内の景観や動植物を守りながら、訪れる人が観光やレジャーを通して自然の魅力を楽しめるように管理されています。
国立公園のゾーニング(エリア分け)
私有地、民有地も含めて指定する日本の国立公園では、国立公園内を一律に規制するのではなく、生態系を最優先で保護するエリア、レジャー・観光利用が可能なエリアなどに分けるゾーニングで管理されます。
具体的には、次のようにゾーニングされています。
・特別保護地区
厳重に景観を保護するため、立ち入りが制限されているエリア。動植物の採取や昆虫採集が原則禁止されています。
・特別地域・普通地域
人々が生活したり、農林漁業を行ったり、観光やレジャーに利用できるエリア。公園区域外とのバッファーゾーン(緩衝地帯)としての役割も果たします。
国が土地を所有してから公園に指定する国もあれば、土地の所有者に関係なく公園指定を行う国もあります。日本は後者の方式を採用していて、より広く保護対象を指定することで、その地域で自然の恩恵を受けて営まれてきた暮らしや文化、観光との調和を図りながら自然を守っていくという考え方が基本です。
「国定公園」や「国営公園」とどう違う?
国立公園とよく似た名前に「国定公園」や「国営公園」があります。
その違いについては、以前の記事でご紹介していますので、もしよろしければ、あわせてご覧ください。
国立公園(National Park)はなぜ世界共通の言語になった?
国立公園の制度が初めてできたのは、アメリカのイエローストーン公園でした。
19世紀のアメリカは西部開拓が急速に進み、鉄道の敷設、伐採、鉱山開発などによって自然が急速に失われつつありました。
イエローストーン地域は、その中でもとくに、広大な渓谷や間欠泉などの自然景観、固有の野生動物などの生態系が残る地域として知られていました。
「民間の開発や私有化で貴重な自然景観と生態系を失っていいのか」という声が強まり、その声を受ける形で、1872年、アメリカで国立公園制度が創設され、世界初の国立公園が誕生しました。
「自然は国民全員のものであり、国家が責任をもって未来世代へ引き継ぐ」という新たな考え方は、その年に生まれ、その後ヨーロッパや日本などに広く受け入れられていくことになります。今では、国立公園(ナショナルパーク)は世界に6,000個以上あり、景観や動植物保護に大切な役割を果たしています。
時代に応えたアイディアは、いずれ世界に広がっていきます。
日本では、明治44年(1911年)に「日光を帝國公園とする請願」が議会に提出され、国立公園制度への機運が高まりました。その後、1931年に国立公園法が制定され、1934年に瀬戸内海・雲仙・霧島の3か所が日本で初めて国立公園に指定されました。2025年現在、日本には35か所の国立公園があります。
山梨には3つも国立公園がある!(秩父多摩甲斐、富士箱根伊豆、南アルプス)
山梨県は、東京都の隣なのに、国立公園が3つもあります。秩父多摩甲斐、富士箱根伊豆、南アルプスです。国立公園数の都道府県別ランキングでも第4位。1位は北海道(7個)、2位は新潟県、長野県(5個)です。
秩父多摩甲斐国立公園
東京・山梨・埼玉・長野にまたがる山岳公園で、奥秩父の森林、雲取山や甲武信ヶ岳などの名峰、西沢渓谷などの渓谷など、都市近郊とは思えない豊かな自然が魅力です。
多摩川、荒川、千曲川、笛吹川など都市の水源でもあり、暮らしを支える涵養地帯の役割も担っています。希少な蝶やカミキリムシの生息地としても知られています。

金峰山の五丈岩:環境省HPより

コケモモ:環境省HPより
富士箱根伊豆国立公園
日本の象徴である富士山をはじめ、箱根や伊豆の火山活動によって生み出された地形一帯を指定した国立公園です。まさに火山国、日本を代表する国立公園と言えます。
その火山活動がもたらした温泉や景勝地は、江戸より前の時代から人々が行き交い、暮らしや文化が育まれた場所でした。
「世界遺産」も自然遺産ではなく文化遺産として登録されたのも、そのような背景によるものです。
南アルプス国立公園
国内標高第2位の北岳をはじめ、甲斐駒ヶ岳、間ノ岳など3,000m級の山々が連なる雄大な高山帯を指定した国立公園です。
仙丈ヶ岳や荒川三山には、およそ2万年前にできた氷河地形が現存します。その氷河時代から分布し、今も生息するライチョウ、キタダケソウなど氷河遺存種が見られ、その多くが絶滅危惧種やそれに準ずる希少種として指定されています。
深い谷と急峻な地形に阻まれて、手つかずの原生林が残っていますが、古来より山岳信仰が盛んに行われていた地域でもあり、甲斐駒ヶ岳の山頂付近には、岩に剣が刺さった光景を目にすることができます。

北岳にしか生息しないキタダケソウ:環境省HPより

ホンドオコジョ:環境省HPより
国立公園オフィシャルパートナーシップ締結!
環境省は民間企業と相互に協力して、日本の国立公園の魅力を世界に向けて発信し、国内外の利用者の拡大を図るため、2016年11月に「国立公園オフィシャルパートナーシップ」の募集を開始しました。
山梨県は3つの国立公園に囲まれており、山梨の産業はその自然から供給される生態系サービスに大きく依存しています。
山梨中央銀行は生態系サービスを存分に享受している山梨県に事業基盤を置く企業として、その自然環境を守り、後世につなげるべく、2025年12月18日に環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップを締結しました。
今後も地域の自然環境保全や活性化に貢献いたします。
2031年に国立公園制度100周年
日本で国立公園法が制定されてから2031年で100周年を迎えます。
環境省は次の100年に引き継ぐため特設サイトをOPENし、国立公園と人の暮らし声を集めた聞き書き集「国立公園ものがたり」を公開しています。読み応えがあって、面白いですよ!
国立公園ものがたり(国立公園に、行ってみよう!環境省)
また財務省は、国立公園制度制定100周年を記念する貨幣を、国立公園ごとの図柄で2024年から 2031 年まで順次発行しています。
山梨中央銀行はこの貨幣を国立公園オフィシャルパートナーシップ締結を記念して山梨中銀金融資料館(入館無料)にて展示していきます。ご興味のある方はぜひお越しください。
色鮮やかな記念貨幣です。
また山梨中央銀行は、マテリアリティ(重要課題)の一つに掲げる「豊かな自然環境の維持と将来への継承」の取組みとして、山梨県が主催する「特定外来生物駆除キャンペーン」に参加し、特定外来生物「オオキンケイギク」や「アレチウリ」の駆除を実施、生態系の保全に努めてきました。
行ってみよう!国立公園
豊かな自然が広がる国立公園では、四季折々の風景や多彩なアクティビティを楽しみながら、心身をリフレッシュできます。この記事を見ているあなたも、国立公園に出かけてみませんか。自然の魅力を存分に堪能できること間違いなしです。
written by ヒノキブンコ














