
お笑い芸人が地域おこし テルさん西桂町協力隊員に 空き家改装、SNS発信へ
お笑い芸人のテルさん(55)が、西桂町の地域おこし協力隊員として活動を始めた。町とテルさんの所属事務所関係者に交流があったことから実現した。今後、特技である日曜大工の技術を生かした空き家のリノベーションや、交流サイト(SNS)を通じた町の魅力発信を進める予定で「芸人として培ってきた技術や特性を生かし、町のためになる活動をしていきたい」と意気込んでいる。
テルさんは俳優のロバート・デ・ニーロさんの物まねなどの持ちネタがあり、「ひとり芸日本一」を決める「R-1グランプリ」で準決勝に進出したこともある。2018年12月から栃木県佐野市の地域おこし協力隊員として活動。畑を借りて農業に挑戦したり、登山の様子を発信したりした。
「芸人とばかり一緒にいたため、最初は地域の人たちと仲良くなる方法が分からなかった」という。しかし、19年の台風災害時に地域住民と復旧作業に当たるなどした結果、「ライブに来てくれたり、町で会ったら声をかけてくれたりするようになった」。
佐野市では、市の名前が入ったTシャツの販売や、市の魅力を歌にしたギターの弾き語りなどさまざまな活動をしてきた。住民と一緒に椅子を作った経験もあるという。6年の任期を終え東京に戻った後、事務所から西桂町の協力隊員となる打診を受け「ぜひやってみたい」と快諾した。
今月1日に町役場で行われた協力隊員の辞令交付式で堀内達也町長は、今年の町のふるさと納税額について昨年の2倍以上となる1億5千万円を目指しているとし「芸人として培った発信力を使って、町のふるさと納税を一緒に盛り上げてほしい」と激励した。テルさんは「これまでもさまざまな地域の魅力を発信する活動に取り組んできた。どこまでできるか分からないが、町の知名度を上げるためにできることは何でもやっていきたい」と応じた。