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柏尾山 大善寺~ 開山1300年、"ぶどう寺" と呼ばれ親しまれてきた古刹

ぶどうを持った薬師如来坐像。
日本古来種「甲州」発祥の地と言われる所以

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勝沼 IC から車で5分、甲州街道沿いにある「柏尾山 大善寺」。武田氏の終焉や、新選組局長・近藤勇率いる幕府軍と官軍が戦火を交えた「柏尾坂の戦い」の古戦場エリアとしても知られ、重要な歴史的出来事と密接に関わっています。近年では、テレビドラマのロケ地として県内外から参拝者が訪れる甲州市勝沼町の観光名所になっています。

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「柏尾山 大善寺」の始まりは、養老2年(718年)奈良時代に僧行基がこの地を訪れ、満願の日に手にぶどうを持った薬師如来が夢に現れ自らその姿を刻み開創しました。そのとき伝えられたぶどうが日本古来種「甲州」の始まりと言われ、「ぶどう寺」の愛称で親しまれています。(※写真は前立薬師如来)

武田勝頼が最期に過ごした「薬師堂」。
見るものを圧倒する17体の仏像群

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境内に足を踏み入れると、落ち着いた佇まいと凛とした空気。つい深呼吸したくなるような静けさに心が癒やされます。 山門をくぐり、147段の石段を上がると現れる「檜皮葺き(ひわだぶき)」の屋根が特徴の本堂・薬師堂。弘安9年(1286年)鎌倉幕府の執権、北条貞時によって建てられたもので、関東で最も古い木造建造物と言われています。戦国の雄・武田家最後の当主で、織田信長と徳川家康の連合軍に敗退した武田勝頼が、天目山の戦いで切腹する数日前、来世の安穏を祈願して一夜を明かした場所でもあります。

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薬師堂には、5年に1度のご開帳時に拝顔できるぶどうを手に乗せた「薬師如来像」他、甲冑をまとい、刀や弓などの武器を持つ仏像群「十二神将像」が安置され、そのリアルな表情は見る者を圧倒する存在感があります。

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私たちは800年以上の時代の流れを静かに見つめ続ける各像を目の前にし、仏師・蓮慶たちはどんな想いで作っていたのだろうか、という時代を超えて伝えられるメッセージに想いを馳せ、心静かに向き合うことができる荘厳な空間です。

境内でいただける、 住職が栽培から醸造まで手がける「大善寺ワイン」

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甲州の風土とともに育まれたこの古刹には、住職自ら栽培するぶどう畑が広がり、毎年近隣住人と共同でワイン造りを行っています。醸造してできた甲州、ベーリーAの2種類のワインは庭園鑑賞できる民宿も併設した建物内で試飲、購入することができます。

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新緑の時期は山門と石段に緑が映えて美しく、春は桜、秋は紅葉と季節ごとの魅力も捨てがたい 「柏尾山 大善寺」。毎年5月には、大蛇に見立てた藤づる(藤の根)を御神木から切り落とし、群衆がそれをお守りとして激しく奪い合う「大善寺の藤切祭(山梨県指定無形民俗文化財)」は、1300年以上の歴史が続く関東一円の奇祭として有名です。(※「奪い合い」はコロナ以降執り行わず、希望者に切り分けて配布する形に変更。) ぜひ、悠久の時を見守る寺に足を運び、歴史の深さと自然の美を感じる空間で心穏やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

Article written by VALEM co., ltd.

柏尾山 大善寺
山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
※詳細は下記URLを参照してください。
https://daizenji.org/
Instagram : daizenji_temple

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