
Homemade Village~人生を軽やかに。北杜市・タイニーハウスの宿泊体験施設
2025年3月、北杜市に、タイニーハウスの暮らしを体験できる宿泊拠点「Homemade Village」がオープンしました。
タイニーハウスとはどんな世界なのか。いま、なぜ "小さな暮らし" なのか。
「Homemade Village」がひらく、小さな暮らしの可能性を紹介します。
小さな暮らしの実験室「Homemade Village」とは?

長坂ICから車で5分。標高1,000m、八ヶ岳南麓の緑に囲まれた場所に、3棟のタイニーハウスが点在しています。「小さな暮らしの実験室」をコンセプトに、これまでツリーハウスやタイニーハウス制作を手掛けてきたTREEHEADSが、「暮らしのあり方」を提案する新しい拠点です。

タイニーハウスとは、その名の通り「小さな家」。「Homemade Village」では、そうした住まいを単なる建築= "モノ" として捉えるのではなく、暮らしそのものを見つめ直すための入り口として考えています。だからこそ、完成されたタイニーハウスを見せる場所ではなく、実際に滞在しながら、タイニーハウス的な考え方に触れることで、「小さな暮らし」を体感できる場となっています。
ではなぜ、TREEHEADSはタイニーハウスを通して "暮らし" を伝えようとしているのでしょうか。その背景には、代表・竹内友一さん自身の経験と、長年向き合ってきた問いがあります。
モノではなく "暮らし" を考えるようになった原点

「いつからか、 "モノを生み出す理由" を考えるようになりました」と語るのは、TREEHEADS代表の竹内友一さん。東京都・昭島で生まれ育ち、20代の多くをヨーロッパで過ごしながら、ファッションからプロダクトまで、幅広いデザインワークに携わってきました。
「モノづくりには大きなやりがいがありました。でも一方で、いつか "ゴミになってしまうモノ" を生み続けていることへの葛藤もあって。幼少期から自然の中で育ったこともあり、もっと自然に寄り添う働き方をしたいと思うようになり、日本に戻ることを決めたんです」
帰国後はキャンプ場で働きながら、自然素材を使った子ども向けワークショップやツリーハウスづくりに携わるように。その活動が広がり、2010年にTREEHEADSを設立しました。会社が軌道に乗り、全国でツリーハウスやトレーラーハウスを手がける日々。
移動の多い暮らしの中で、「家そのものが移動できたらいいのに」と思い始めた頃、タイニーハウスムーブメントの先駆者・Dee WilliamsがTED Talksで語った "小さな暮らし" の講演に出会います。

「模型づくりやリサーチの中で見つけた動画でしたが、衝撃でした。自分は "モノとしての家" を探していたけれど、彼女が語っていたのは "暮らしそのもののあり方" だったんです」
その動画を見てからわずか2週間後、竹内さんはアメリカ・ポートランドへ飛び、Deeのワークショップに参加します。
「当時、日本人がタイニーハウスを学ぶのは珍しくて。後にDeeが来日し、一緒にワークショップを行った際、参加者から "これは本当に生活できるの?" という声が上がったんです。自分自身、実態を知らないまま伝えるのは違うと感じました」

そこで2015年、竹内さんは再びアメリカへ渡り、西海岸でタイニーハウスに暮らす約20人にインタビューを行い、小さな暮らしをテーマにしたロードムービー『simplife』を制作します。さらに『simplife』をより多くの人に届けるため、移動可能なタイニーハウスを製作し、日本全国を巡回。実践者のための「Tiny House Workshop」の開催など、タイニーハウス文化の普及啓蒙活動を続けてきました。そうした活動の延長線上に、2025年、タイニーハウスの宿泊体験施設「Homemade Village」が誕生しました。
「Homemade Village」の宿泊体験。
本当にやりたかったことを実現するためのきっかけを

緑に包まれた約300坪の敷地に、タイプの異なる3棟のタイニーハウスが立ち並ぶ「Homemade Village」。すべてのタイニーハウスは車両として移動できる設計で、寝泊まりするための「プライベート空間」と、トイレやシャワー、キッチン、ガーデンといった「共有スペース」で構成されています。
なかでも最も広いタイニーハウス「Type-C」は、床面積8.6畳に、3~4畳ほどのロフトを備えた一棟。シンプルなつくりながら、暮らしやすさを考え抜いた機能的な空間です。ミニキッチンとダイニングテーブルを備え、ベッドはハウスの長手方向に対して直行するレイアウトに。限られた面積を無駄なく使い、空間をより広く感じられる設計となっています。

滞在中は、個々のタイニーハウスで静かに過ごす時間と、コミュニティスペースや共有スペースで人と関わる時間が、自然に行き交います。火を囲む、畑や植物に触れる、誰かと食事をともにする。同じ敷地に小さなタイニーハウスが点在し、ライフラインを共有することで、暮らしの距離感がほどよく保たれています。
広さや設備を足すのではなく、どうすれば心地よく過ごせるか。どうすれば自分の時間や思考に余白が生まれるか。その視点が、空間の随所に落とし込まれています。そうした体験を通して、「いつかやりたいこと」や「本当はやりたかったこと」に気づき、それを形にしていくための "ひみつ基地" のような存在を目指しています。

「『暮らしの実験室』とうたっているのは、私自身もまだ学びの途中だからです。こうした活動を続けていながら、実はタイニーハウスで長期間暮らした経験はまだなくて。今は家族4人で暮らしていますが、現実的に小さな家で4人が暮らしていくのは難しいと感じています。ドキュメンタリー『simplife』の制作を通して出会った人たちの中にも、タイニーハウスを離れて一般的な住まいへ移る人や、ライフイベントに合わせて住まいを変える人がいました。でも多くの人が、『タイニーハウスで暮らした経験が、その後の暮らしをよりシンプルにしてくれた』と話していたんです。だからこそ、私たちが設計するタイニーハウスは、一つとして同じものはありません。関わる人がどんな幸せをつくりたいのか。その一つひとつに寄り添いながら、かたちにしていきます」
そう語りながら竹内さんは、いずれ自分自身がタイニーハウスで暮らす未来についても、楽しそうに話してくれました。

タイニーハウスに興味はあるけれど、実際にどのくらいの広さなのか、本体以外にどんな費用がかかるのか。そんな疑問を持つ方に向けて、「Homemade Village」では【現地見学会】と【個別説明会】を定期的に開催しています。
「いつかやりたいこと、本当にやりたかったこと。それを実現するための、あなただけの『ひみつ基地』」
タイニーハウスという選択肢を通して、これからの暮らしを見つめ直す。そのきっかけに、そっと触れてみてください。
Article written by VALEM co., ltd.
Homemade Village
山梨県北杜市大泉町西井出8240−2717
※詳細は下記URLを参照してください。
https://homemadevillage.com/
Instagram : homemade.village
