環境・気候変動・生物多様性への取組み

総務担当役員メッセージ

環境への取組みについて

 気候変動や生物多様性の喪失など、環境課題への対応は、地域金融機関にとって重要な責務であると認識しています。当行グループは、「豊かな自然環境の維持と将来への継承」をマテリアリティの一つに掲げるとともに、中期経営計画の変革ドライバーの一つにGXを位置付け、地域社会とともに環境課題の解決に取り組んでいます。

現状の取組み

 気候変動への対応では、TCFD提言に基づく情報開示を進めるとともに、気候変動が地域経済や当行の事業活動に与えるリスクと機会の分析を実施しています。当行のCO₂排出量削減に向けては、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの活用を推進し、脱炭素社会への移行に向けた実効性の向上を図っています。
 また、地域のお客さまの脱炭素化を支援するため、CO₂排出量算定ツール「やまなしGXアシスト"MiRuCO₂"」を提供し、排出量の見える化とGX推進を後押ししています。さらに、サステナブルファイナンスの提案やコンサルティング支援を通じて、お客さまの環境経営をサポートしています。
 生物多様性保全では、長年取り組んできた「山梨中銀ふれあいの里山」における森林整備や生態系保全活動が評価され、2025年9月に環境省の「自然共生サイト」に地域金融機関として初めて認定されました。また、昨年に続き本年もTNFDレポート(第2版)を発行し、自然関連課題への対応を強化しています。

総務担当役員メッセージ

今後の取組み

 今後は、脱炭素社会と自然共生社会の実現に向けた取組みを一層加速してまいります。TCFD対応の高度化に加え、TNFD提言に沿った自然関連リスクと機会の分析や情報開示の充実を図ります。「やまなしGXアシスト"MiRuCO₂"」の活用促進により、地域企業の排出量把握と削減計画の策定を支援するとともに、サステナブルファイナンスの提供拡大やソリューション提案を通じて、お客さまの脱炭素経営や環
境価値の創出を後押ししてまいります。
 環境と経済の好循環を創出し、持続可能な地域社会の実現に貢献してまいります。

TCFD提言への対応

気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に賛同し、気候関連への課題解決に取り組んでいます。気候関連の情報開示については、TCFD提言の枠組みに基づき、開示内容の拡充、体制整備の取組み等、適切に対応してまいります。

ガバナンス

  • サステナビリティ経営の実現に向けて、マテリアリティの一つに「豊かな自然環境の維持と将来への継承」を掲げるとともに、中期経営計画「Value Creation Company~1st Stage」においては、変革ドライバーの一つである「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」のもと、「気候変動問題」および「生物多様性保全」をはじめとする環境課題解決に取り組んでいます。

  • 頭取が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置しており、持続可能な社会の実現に向けた気候変動関連への対応やSDGs/ESGなどへの取組みについて、原則として毎月開催し、協議・検討しています。

  • サステナビリティ委員会で協議・検討された事項は、常務会を経て取締役会へ付 議・報告することで、取締役会の監督が適切に図られる体制を構築しています。

ガバナンス体制図

2025年度の主な議題

戦略

1.ロードマップ

 当行グループは、CO₂排出量削減目標に「2030年度までにカーボンニュートラル達成」を掲げ、各種施策に取り組んでいます。目標達成に向け、2030年度までの取組みを整理するとともに、各施策の削減量見通しを算出し、ロードマップを明確化しました。

ロードマップ

2.気候関連のリスクと機会

気候関連のリスクと機会

3.地域の脱炭素社会への取組み

 当行は、中期経営計画の基盤戦略において「地域の気候変動対策への取組強化」を掲げ、関係機関と連携のうえ、山梨県のカーボンニュートラル動向調査を実施し、脱炭素化に伴う事業リスクおよび成長機会を整理しました。今後は、金融機能およびコンサルティング機能を発揮し、地域企業の脱炭素経営支援を推進します。
 また、その取組みの一環として、地域の脱炭素社会への移行を支援するため、2026年4月から、お客さま向けCO₂排出量算定ツール「やまなしGXアシスト“MiRuCO₂”(ミルコ)」の提供を開始しています。

4.シナリオ分析

【移行リスク】

気候変動の影響を受けやすいとされる業種のうち、気候変動への影響と当行の貸出金のポートフォリオを勘案し、従前からの対象セクターに加えて、「資本財」、「加工食品・加工肉」を新たに分析対象として選定しました。
国際エネルギー機関(IEA)によるWorld Energy OutlookレポートのNet-Zero Emissions by 2050シナリオ(NZEシナリオ)等における炭素価格のデータを使用し、2050年までの融資先に対する財務悪化に関する変化について予想を行い、与信関連費用の変化を分析しました。

シナリオ分析【移行リスク】

【物理的リスク】

物理的リスクは、当行の事業性与信先を対象に、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ)のもとで、水害発生による事業性与信先の財務への影響と、担保不動産の毀損に起因した与信関係費用の増加に関する分析を実施しました。

シナリオ分析【物理的リスク】

5.炭素関連資産

当行の貸出金残高に占める炭素関連資産割合は以下のとおりです。(2025年3月末基準)

エネルギー 運輸 素材・構築物 農業・食糧・林業製品
2.24% 10.79% 22.04% 3.11%

リスク管理

指標と目標

1.CO₂排出量の削減目標と実績(Scope1、2)

自ら排出するCO₂排出量の削減に積極的に取り組むとともに、脱炭素社会の実現や地域の環境課題解決に向けた取組みに貢献してまいります。

1.CO₂排出量の削減目標と実績(Scope1、2)1
1.CO₂排出量の削減目標と実績(Scope1、2)2

2.Scope3への対応

  • 温室効果ガス排出量の計測範囲の拡大に取り組んでおり、Scope3の算出を行いました。

  • 引き続き計測の高度化に向けて取り組んでまいります。

<Scope3のカテゴリ15の算出>

  • Scope3のカテゴリ15については、金融機関にとっては、気候変動におけるリスクと機会を捉えていく重要な指標と考えられることから、PCAFスタンダードの計測手法を参考に、国内事業法人に対する融資を対象に算出を行いました。

  • カテゴリ15は、金融機関におけるScope3の中でも大きな割合を占めるため、2024年度は業種別に算出を行いました。なお、上場企業で排出量を開示している先については、一部公表値をもとに算出しています。

<算出方法>

  • カテゴリ15の算出方法は、計測した融資残高は2026年3月末、財務データは2026年3月末までの最新決算データとなります。

  • CO₂排出量は、「売上高×環境省が公表する排出原単位」にて推計(上場先のうち一部は公表値を採用)し、投融資持ち分を乗じて計算しています。

2.Scope3への対応

3.第三者保証の取得

温室効果ガス排出量の計測・開示にあたり、情報の透明性、数値の信頼性を確保するため、2024年度から第三者保証の取得に取り組んでいます。2025年度の温室効果ガス排出量は、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社による独立した第三者保証を取得しています。今後も第三者機関による検証を継続し、開示情報の透明性や信頼性を高めていきます。「第三者保証報告書」については、こちら「独立した第三者保証報告書」をご覧ください。

4.サステナブルファイナンス投融資額の目標と実績

 当行は、自ら排出するCO₂排出量の削減に積極的に取り組むとともに、脱炭素社会の実現や地域の環境課題解決に向けた取組みに貢献します。
 持続可能な地域社会の実現に向けて、環境・社会課題解決等への取組みを加速させるため、長期目標として2030年度までに8,000億円以上としていますが、中計経営計画期間中の達成に向けて取り組んでいます。

3.サステナブルファイナンス投融資額の目標と実績

日本銀行の気候変動対応を支援するための資金供給オペレーションの対応

気候変動対応を支援するための資金供給に関する開示

気候変動対応に資する投融資の実績

実績 金額
2026年3月末 928億円

TNFDへの対応

当行の自然に対する考え方

当行の主要なマーケットである山梨県は、富士山、八ヶ岳、南アルプス、秩父山地など、雄大な山々に囲まれ、森林や湖、河川、農地などのさまざまな生態系に適した生物が生息しています。これらの豊かな自然資本や、自然資本が組み合わさり生み出される生態系サービスは、山梨における地域経済や暮らしに多くの恵みを与えており、農業や観光など、山梨の産業になくてはならないものになっています。
このような状況下で、生物多様性の損失を止め、回復傾向へと向かわせる「ネイチャーポジティブ」に向けて、地域特性を踏まえて行動することが求められています。
当行は、前述したような豊かな自然に恵まれた山梨に事業基盤を置く金融機関として、豊かな自然環境の未来世代への継承は私たちの重要な責務であるとの認識のもと、気候変動問題および生物多様性保全をはじめとする環境問題の解決に積極的な取組みを展開しています。
2026年7月に「山梨中銀TNFDレポート(第2版)」にて、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った評価と開示を行いました。今後も継続的に、自然資本への影響と依存、リスクの評価、必要な対応の検討を行い、積極的な情報開示を通じてステークホルダーとのエンゲージメント向上を図ってまいります 。

「山梨県におけるカーボンニュートラル動向調査」の発行

当行と山梨中銀経営コンサルティング株式会社は、株式会社日本政策投資銀行および株式会社日本経済研究所と協働し、「山梨県におけるカーボンニュートラル動向調査」と題した調査レポートを発行しました。

イニシアチブへの参画

持続可能な社会の実現に貢献するために、さまざまなイニシアチブへ参画・賛同しています。

イニシアチブへの参画

当行グループの取組み

ダンボール製仕切りパネルの導入

本・支店の窓口に設置しているセミセルフ端末の現金入出金機を安心してご利用いただくため、株式会社ユーシン(山梨県都留市、代表取締役社長 荻原 照仁)が製造するダンボール製の仕切りパネルを設置しています。
本パネルは再生紙を使用しており、軽くて耐久性・安全性に優れた、環境に配慮した製品となっています。

ダンボール製仕切りパネル

山梨県内金融機関初「ZEB認証※」を取得

 脱炭素(カーボンニュートラル)に向けた取り組みとして、新築した湯村支店において、山梨県内の金融機関では初となる「ZEB認証」を取得しました。

山梨県内金融機関初「ZEB認証」を取得

オンサイトPPA方式※による太陽光発電システムの設置

 地域課題解決に取組む銀行業高度化等会社「やまなし地域デザイン株式会社」が提供する太陽光発電設備を活用したオンサイトPPA方式による電力供給の第1号案件として、柳町支店に導入しました。

オンサイトPPA方式による太陽光発電システムの設置

カーボン・オフセット重油の導入

 脱炭素に向けた取組みとして、当行本店ビルおよび電算センターで使用する重油について、株式会社吉字屋本店が提供する「出光カーボンオフセットfuel J」を導入しました。

カーボン・オフセット重油の導入_01
カーボン・オフセット重油の導入_02

山梨県内初「カーボン・オフセット都市ガス」の導入

 脱炭素に向けた取組みとして、当行本店を含む5施設で使用する都市ガスについて、東京ガス山梨株式会社が供給する「カーボン・オフセット都市ガス(排出係数調整型)」を導入しました。

山梨県内初「カーボン・オフセット都市ガス」の導入_01
山梨県内初「カーボン・オフセット都市ガス」の導入_02

「山梨中銀ふれあいの里山」が環境省の「自然共生サイト」に認定

 2025年9月、里地里山といった自然環境で、在来種を中心とした多様な動植物種が共存する健全な生態系を保つための、「山梨中銀ふれあいの里山」での継続的な取組みが評価され、環境省より「自然共生サイト」として認定されました。この認定は、しずおかフィナンシャルグループの「しずぎんの森(静岡市清水区)」とともに、地域金融機関として初めての事例となりました

「山梨中銀ふれあいの里山」が環境省の「自然共生サイト」に認定_01
「山梨中銀ふれあいの里山」が環境省の「自然共生サイト」に認定_02